530-0057
大阪府大阪市北区曾根崎2丁目7-4 M.VOLANTE UMEDA 10F
© 2025 Mirrora CLINIC

コンシーラーでも隠せない目の下の茶クマに、長年悩んでいませんか。目の下の皮膚は頬の約3分の1の薄さしかなく非常にデリケートなため、アトピーや花粉症による摩擦、加齢によるターンオーバーの遅れで色素沈着は悪化しやすいとされています。
この記事では、茶クマの正体であるメラニン色素のメカニズムから、クマ取り手術がなぜ色素沈着を悪化させるリスクを伴うのか、その医学的根拠を解説します。医師が行う正確な診断法や、レーザー、内服薬といった治療の選択肢も詳しく紹介します。
ご自身のクマの原因を正しく理解し、治療の優先順位を見極めるヒントが得られます。リスクを把握したうえで、根本的な改善を目指すための最適なアプローチを選択する一助となるでしょう。
茶クマの正体は、皮膚そのものに「メラニン」という色素が沈着して茶色く見える状態を指し、医学的にはシミやくすみの一種に分類されます。
目の下の皮膚は、頬の皮膚の約3分の1ほどの厚さしかなく、非常に薄くデリケートです。そのため、わずかな刺激でもダメージを受けやすく、色素沈着が起こりやすいのです。
コンシーラーを使っても隠しきれない茶クマの多くは、この皮膚の浅い層から深い層にまで及ぶメラニン色素の蓄積が関係しています。

皮膚にメラニンが沈着する背景には、「メラニンの過剰な生成」と「排出の遅れ」という2つのメカニズムが関わっています。
メラニンは、皮膚の色を構成する色素で、表皮の最下層にある「メラノサイト(色素細胞)」によって作られます。このメラニンには、紫外線などの外部刺激から肌の細胞核(遺伝情報)を守るという重要な役割があります。
本来、生成されたメラニンは、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」の過程で、古い角質とともに自然に排出される仕組みです。
しかし、下記のような要因でメラニンの生成と排出のバランスが崩れると、色素が皮膚内部に蓄積し、茶クマとして現れます。
メラニンが蓄積する主な要因
これらの要因でターンオーバーのサイクルが乱れると、排出されるべきメラニンが行き場を失い、表皮だけでなく、さらに深い真皮層にまで沈着してしまうことがあります。
アトピー性皮膚炎や花粉症が茶クマを悪化させるのは、「慢性的な炎症」と、それに伴う「物理的な摩擦」という2つの要因が重なるためです。
まず、アレルギー反応によって目元に持続的な炎症が起こると、皮膚内部では炎症に関連するさまざまな物質が放出されます。これらの物質が、メラニンを作るメラノサイトを刺激し、色素の生成を促してしまうのです。
この状態が長く続くことで起こる色素沈着を、医学的には「炎症後色素沈着(PIH: Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」と呼びます。
さらに、アトピーや花粉症には強いかゆみが伴います。 無意識のうちに目元を掻いたり、こすったりする行為は、皮膚への直接的な物理刺激となります。この摩擦がメラノサイトをさらに活性化させ、色素沈着をより濃く、根深いものにしてしまう悪循環を生み出します。
以下の表に、悪化のサイクルを整理します。
| 悪化のサイクル | 具体的な影響 |
|---|---|
| Step 1: アレルギー反応 | ・目元に慢性的な炎症とかゆみが発生 |
| Step 2: 炎症の持続 | ・メラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に作られる (炎症後色素沈着) |
| Step 3: 物理的な摩擦 | ・かゆみで目をこすることにより、メラノサイトがさらに活性化 ・色素沈着が悪化・定着する |
したがって、茶クマの改善を目指す上では、皮膚のケアだけでなく、内服薬や点眼薬を用いてアレルギー疾患そのものを適切にコントロールすることが不可欠といえます。
加齢とともに茶クマが濃く目立つようになる主な理由は、肌の新陳代謝、すなわち「ターンオーバー」の速度が低下することにあります。
健康な20代の肌では、ターンオーバーの周期は約28日とされています。このサイクルの中で、生成されたメラニン色素は新しい細胞に押し上げられ、最終的に古い角質とともにはがれ落ちていきます。
しかし、年齢を重ねるとこの周期は徐々に長くなり、一般的に40代では40日以上かかるともいわれています。 ターンオーバーが遅れるということは、本来排出されるはずのメラニンが、皮膚の中に長期間とどまり続けることを意味します。
その結果、若い頃から浴びてきた紫外線や、摩擦による刺激で生成されたメラニンが排出されずに蓄積。これが「長年のツケ」のように積み重なり、徐々に茶クマとして表面化してくるのです。
また、加齢は皮膚そのものを薄くする(菲薄化:ひはくか)という変化ももたらします。皮膚が薄くなることで、内部に蓄積したメラニン色素がより透けて見えやすくなり、茶クマの存在感をさらに際立たせる一因となります。
クマ取り手術は、目の下のふくらみ(黒クマ)の原因である脂肪を取り除くものであり、茶クマの原因である皮膚の色素沈着を直接治療するものではありません。
むしろ、手術という行為自体が皮膚にとって一種の「試練」となり、もともとあった茶クマをかえって悪化させる可能性をはらんでいます。
手術によって茶クマが濃くなる主な原因は、次の3つです。
これらは黒クマを解消しようとした結果、意図せず茶クマが目立ってしまう典型的なパターンといえます。
クマ取り手術の過程で組織を扱う刺激(手術侵襲)は、皮膚に意図的な傷をつける行為であり、身体はこれを治そうと炎症反応を起こします。この治癒過程で、新たな色素沈着が生じるリスクが「炎症後色素沈착(PIH)」です。
これは、転んでできた擦り傷の跡や、ニキビの跡が茶色くシミになるのと同じメカニズムです。
皮膚は炎症というダメージを感知すると、細胞核を守るためにメラノサイト(色素細胞)を活性化させ、メラニン色素を過剰に作り出します。このメラニンが排出されずに皮膚に残った状態が、PIHの正体です。
特に、以下のような素因を持つ方は、手術による炎症がPIHにつながりやすい傾向があるため注意が必要です。
手術後に生じたPIHは、時間の経過とともに自然に薄くなることもありますが、完全に消えるまでには数カ月から1年以上かかるケースも少なくありません。もとからある茶クマと重なることで、さらに濃く、根深い色素沈着に見えてしまう可能性があります。
目の下のふくらみの原因である眼窩脂肪を取り除く「脱脂手術」を行うと、皮膚が薄く(菲薄化:ひはくか)なり、これまで脂肪の厚みで隠されていた組織の色が透けて見えるようになります。
ふくらみがなくなった皮膚の下から、次のような組織の色が浮き出てくるのです。
もともと茶クマがある方がこの手術を受けると、既存の茶クマ(茶色)に、透けて見える筋肉(赤紫色)や血管(青色)の色が重なり合います。
その結果、色素沈着そのものが悪化したわけではなくても、複数の色が混ざり合うことで、より複雑で暗い色調の「混合クマ」として認識され、「クマが濃くなった」と感じる一因になるのです。
手術後の内出血が治る過程で生じる「ヘモジデリン沈着」も、茶クマが悪化したように見える要因の一つです。
ヘモジデリンとは、血管から漏れ出た血液中の赤血球が分解され、組織に残った鉄分のことです。打ち身のあざが、時間とともに色を変えながら黄色っぽく残る現象をイメージするとわかりやすいでしょう。
手術による内出血は多かれ少なかれ起こりうるものですが、このヘモジデリンが色素として皮膚に沈着し、茶色いシミとして残ることがあります。
一般的な茶クマ(メラニン色素)とヘモジデリン沈着は、見た目は似ていても原因や性質が全く異なります。両者の違いを以下の表に整理します。
| 特徴 | 茶クマ(メラニン色素) | ヘモジデリン沈着 |
|---|---|---|
| 原因 | ・紫外線 ・摩擦などの刺激 |
・手術や打撲による内出血 |
| 主成分 | メラニン色素 | 血液中の鉄分 |
| 色調 | 茶色・こげ茶色 | 紫→青→緑→黄褐色へと変化 |
| 見分け方 | ・皮膚を引っ張っても色は薄くならず、皮膚と一緒に動く | ・時間経過で色調が変化する ・圧迫すると色が薄くなることがある |
ヘモジデリン沈着は、元々の茶クマとは全くの別物ですが、見た目が酷似しているため「手術で茶クマが悪化した」と誤解されがちです。
通常、数カ月から長い場合は数年かけてゆっくりと体内に吸収されますが、自己判断は禁物です。正確な診断と適切な対応のためには、必ず医師の診察を受けるようにしてください。
医師による鑑別診断は、複数の原因が絡み合う「混合クマ」の正体を突き止め、適切な治療法を選択するために不可欠なプロセスです。
目の下のクマは、茶クマ・黒クマ・青クマが単独で存在するケースはむしろ少なく、多くは複数の種類が混在しています。
原因が異なれば治療法も全く変わるため、自己判断でケアを続けることは、かえって症状を悪化させたり、時間や費用を無駄にしたりするリスクを伴います。 そのため、視診や触診、専用機器を用いた診察、そして丁寧な問診を組み合わせた総合的な診断が、治療の出発点となります。
ダーモスコピーという専用の拡大鏡を使い、色素沈着が皮膚のどの深さに達しているかを視覚的に評価します。
これは皮膚の内部を光で照らしながら数十倍に拡大して観察する医療機器で、痛みは伴いません。シミやほくろの良性・悪性を判断する際にも広く用いられています。
茶クマの原因であるメラニン色素は、沈着している深さによって有効な治療アプローチが異なります。
| 色素沈着の深さ | 特徴と治療法 |
|---|---|
| 表皮性(浅い層) | ・茶色~こげ茶色に見える ・外用薬やピーリングなど、肌のターンオーバーを促す治療での改善が期待できる |
| 真皮性(深い層) | ・灰色~青みがかって見える ・肌の奥深くにあり、レーザー治療でなければ色素に働きかけることが難しい場合がある |
ダーモスコピーで色素の分布を正確に把握することで、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てられるようになります。
皮膚を指で優しく横に引っ張る「伸展テスト」で、影によって生じる「黒クマ」が複合しているかどうかを判断します。
これは、茶クマと黒クマを見分けるための基本的な診察手技です。
黒クマの正体は「影」であるため、皮膚を平らにならすと目立たなくなります。 もし黒クマが混在している場合、色素沈着に対する治療だけでは満足な結果を得にくいため、たるみや凹凸に対する治療も視野に入れる必要があります。 この診察によって、どのクマからアプローチすべきか、治療の優先順位を見極める重要な手がかりが得られます。
問診は、色素沈着を引き起こしている根本原因を探り、治療後の再発を防ぐための生活習慣を見つける上で極めて重要な時間です。
皮膚の色を見るだけではわからない、患者さん一人ひとりの背景を理解するために、主に以下のような点について詳しくお伺いします。
例えば、問診からアトピー性皮膚炎による慢性的な炎症が強く疑われる場合は、まずアレルギー症状をコントロールすることが最優先となります。 このように原因を特定し、治療と並行して生活習慣の改善に取り組むことで、治療効果を高め、良好な状態を長く維持することを目指します。
茶クマ治療の成否は、原因である色素沈着の深さや範囲を正確に診断し、それに基づいた適切な治療法を選択できるかどうかにかかっています。自己判断によるケアや、診断を誤った治療は、効果が見込めないだけでなく、かえって色素沈着を悪化させ、治療をより困難にする可能性があります。
ここでは、治療戦略によって結果がどのように変わるのか、具体的な例を挙げて解説します。

茶クマ治療で良好な結果を得るためには、複数のアプローチを組み合わせる「コンビネーション治療」が基本戦略となります。これは、「今ある色素を減らす」攻めの治療と、「未来の色素を作らせない」守りの治療を同時に行い、相乗効果を狙う考え方です。
それぞれの治療法が担う役割を、以下の表に整理します。
| アプローチ | 治療法 | 役割とメカニズム |
|---|---|---|
| 攻めの治療 (色素を減らす) |
レーザー治療 (ピコトーニングなど) |
・皮膚の奥深くにあるメラニン色素に選択的に働きかけ、細かく砕く ・砕かれた色素は、体内の免疫細胞(マクロファージ)によって老廃物として処理・排出される |
| 守りの治療 (色素を作らせない・出す) |
内服薬 (トラネキサム酸など) |
・メラニンを作る指令を出す「プラスミン」という物質の働きをブロックする ・体の中から色素の過剰生成にブレーキをかける |
| 守りの治療 (色素を作らせない・出す) |
外用薬 (ハイドロキノンなど) |
・メラニン生成に関わる酵素(チロシナーゼ)の活動を直接阻害する ・肌のターンオーバーを整え、色素の排出をサポートする |
このように、外側から色素に直接アプローチするレーザー治療と、内側からメラニンの生成サイクルに働きかける薬物療法を並行することで、効率的かつ根本的な改善を目指せます。
茶クマ治療における典型的な失敗例が、クマの種類を誤って診断し、不適切な治療を選択してしまうケースです。特に、皮膚の凹凸による「黒クマ」と色素沈着による「茶クマ」が混在している場合に、この問題は起こりやすくなります。
例えば、目の下のふくらみ(黒クマ)が目立つため、その原因である脂肪を取り除く「経結膜脱脂術」だけを行ったとします。この場合、以下のような理由で「かえって茶クマが目立つようになった」と感じる事態を招きかねません。
脱脂術は色素沈着にアプローチできない
脱脂術は、あくまでふくらみ(影)を解消するための手術です。皮膚そのものの色(茶色い色素沈着)には何ら変化をもたらしません。
手術の刺激で新たな色素沈着(PIH)が発生する
手術による組織への刺激は、一種の炎症反応です。この炎症が治癒する過程で、メラニンが過剰に作られ、新たな色素沈着(炎症後色素沈着)として茶クマを濃くしてしまうリスクがあります。
ふくらみが消え、隠れていた色素が露呈する
これまでふくらみの影に隠れて目立たなかった茶クマが、皮膚が平らになることで、かえって際立って見えてしまうことがあります。
黒クマの治療を優先した結果、茶クマという別の問題が浮き彫りになるのです。このような失敗を避けるためには、治療前の正確な診断が何よりも重要です。混合クマの場合は、脱脂術とレーザー治療を組み合わせるなど、原因に応じた複合的な治療計画が必要になります。
茶クマの治療は、肌の生まれ変わりのサイクル(ターンオーバー)に合わせて進めるため、効果を実感するまでには数カ月単位の期間が必要です。一度の治療で劇的に変化するものではなく、根気強く継続することが成功への鍵となります。
治療期間と頻度の目安
効果の現れ方と内部での変化 治療の経過は、一般的に次のようなステップをたどります。
初期(1〜3回目):
見た目の大きな変化は感じにくい時期かもしれません。しかし肌の内部では、レーザーによってメラニンが砕かれ、内服薬が新たな色素生成をブロックし始めています。
中期(4〜6回目):
「なんとなく色が薄くなった」「コンシーラーで隠しやすくなった」といった手応えを感じ始める方が多い段階です。ターンオーバーによって、砕かれた色素が少しずつ排出され始めます。
後期(7回目以降):
見た目にも改善がわかるようになり、メイクで隠す必要がなくなるレベルを目指せる時期です。
ただし、効果の現れ方には、色素沈着の深さや、日々の生活習慣(無意識の摩擦や紫外線対策の状況)が大きく影響します。焦らず、医師と治療の進捗を確認しながら、二人三脚で計画通りに進めていくことが重要です。
茶クマ治療は、技術革新によって「今ある色素へのアプローチ」と「未来の色素沈着の予防」の両面で大きく進歩しています。 特に、レーザー技術の進化や、皮膚の再生能力を引き出す再生医療、効果と安全性を両立させた新しい美白成分の開発が注目されています。 これらの進歩により、従来は改善が難しかった根深い色素沈着に対しても、より効果的で身体への負担が少ない治療戦略を立てられるようになっています。
ピコ秒レーザーは、従来のナノ秒レーザーよりもさらに短い「ピコ秒(1兆分の1秒)」単位でレーザーを照射し、色素沈着にアプローチする治療法です。 この極めて短い照射時間は、熱によるダメージを最小限に抑え、代わりに「衝撃波」でメラニン色素を細かく砕くという特徴を持ちます。 熱ではなく物理的な力で色素に働きかけるため、皮膚が薄くデリケートな目元の治療に適しており、以下のような利点があります。
この作用機序から、ピコ秒レーザーを用いた「ピコトーニング」は、根深い茶クマや、過去の治療で改善が見られなかった色素沈着に対しても有効な選択肢と考えられています。
再生医療は、茶クマの色素そのものを標的とするのではなく、皮膚の土台を立て直し、肌本来の再生能力を高めることで間接的な改善を目指すアプローチです。 ご自身の血液や細胞を利用するため、アレルギー反応などのリスクが低いという利点がありますが、現時点では茶クマ治療の主役ではなく、補助的な役割を担います。
代表的な再生医療には、以下のようなものがあります。
| 治療法 | 概要とメカニズム |
|---|---|
| PRP療法 (多血小板血漿) |
・ご自身の血液から、成長因子を豊富に含む血小板を濃縮して抽出 ・皮膚に注入することで、コラーゲンの生成を促し、肌のハリや弾力を高める |
| 幹細胞治療 | ・ご自身の脂肪などから、新しい細胞を生み出す能力を持つ幹細胞を採取・培養 ・皮膚に投与し、組織の修復やターンオーバーの正常化をサポートする |
これらの治療は、加齢によって衰えた肌の代謝機能を底上げし、メラニンが排出されやすい環境を整えるのに役立つ可能性があります。 ただし、色素沈着に対する直接的な効果を示した質の高い研究データはまだ十分ではなく、あくまでレーザー治療などの標準的な治療を補完する位置づけと考えるのが妥当です。
レーザー治療の効果を高め、再発を防ぐためには、日々のスキンケアでメラニンの生成をコントロールすることが不可欠です。 従来のハイドロキノンやトレチノインに加えて、近年は有効性と安全性のバランスに優れた新しい成分が登場しており、治療の選択肢が広がっています。
特に注目されている次世代の成分には、以下のようなものがあります。
| 成分名 | 特徴と注目される理由 |
|---|---|
| システアミン | ・もともと人の体内に存在するアミノ酸で、安全性が高い ・強力な抗酸化作用とメラニン生成抑制作用を持つ ・製品の匂いが課題だったが、製剤技術の向上で使いやすくなった |
| リポソーム化成分 (トラネキサム酸、ビタミンCなど) |
・有効成分を「リポソーム」というリン脂質の膜で包む技術 ・肌の奥深くまで成分を届けるDDS(ドラッグデリバリーシステム)の一種 ・成分の安定性を高め、効果を最大限に引き出す |
| バクチオール | ・「次世代レチノール」とも呼ばれる植物由来の成分 ・レチノール(ビタミンA)と似た働きでターンオーバーを促す ・光や熱に強く、刺激が少ないため、敏感肌の方でも使用しやすい |
これらの新しい成分は、メラニン生成のさまざまな段階に働きかけることで、従来の治療を補強し、よりきめ細やかな色素沈着対策を可能にします。医師の指導のもと、ご自身の肌状態やライフスタイルに合わせて取り入れることが重要です。
茶クマ治療の効果を最大限に引き出し、再発を防ぐには、クリニックでの治療と並行した日々のスキンマネジメントが鍵となります。
茶クマの主な原因は、紫外線や摩擦といった日常に潜む刺激によるメラニンの蓄積です。そのため、レーザー治療などで一度改善しても、原因となる生活習慣を見直さなければ、色素沈着は再び現れる可能性があります。
クリニックでの治療が「今ある色素沈着を取り除く」攻めのアプローチだとすれば、スキンマネジメントは「未来の色素沈着を防ぐ」守りの要といえます。肌は体の健康状態を映し出す鏡でもあります。適切なスキンケアは、外部刺激から体を守る皮膚のバリア機能を維持するという、健康管理の側面も持っているのです。

茶クマの予防と悪化防止で最も重要なのは、物理的な刺激を限りなくゼロに近づける「こすらない」スキンケアの実践です。
目元の皮膚はティッシュペーパー1枚分ほどの厚みしかなく、非常にデリケートです。そのため、無意識に目をこするだけでも慢性的な炎症につながり、メラニンを過剰に作り出す「炎症後色素沈着」を招いてしまいます。
日々のケアでは、以下のポイントを徹底することが大切です。
| ケアの段階 | 正しい方法 | 避けるべき行為 |
|---|---|---|
| メイク落とし | ・ポイントメイクは専用リムーバーをコットンに含ませ、優しく押し当てて浮かせる ・クレンジング剤は肌すべりの良いミルクやジェルタイプを選ぶ |
・ゴシゴシこすって落とす ・洗浄力の強すぎるオイルクレンジングの多用 |
| 洗顔 | ・洗顔料は手でしっかり泡立て、泡をクッションにして肌の上を転がすように洗う ・指が直接肌に触れないことを意識する |
・泡立て不足のまま洗う ・シャワーを直接顔に当てる |
| 保湿・タオル | ・清潔なタオルで押さえるように水分を吸い取る ・化粧水や美容液は手のひらで包み込むように優しくなじませる |
・タオルで顔をゴシゴシ拭く ・化粧水を叩き込む(パッティング) |
特にアトピー性皮膚炎や花粉症をお持ちの方は、かゆみから無意識に目元を掻いてしまいがちです。これは色素沈着を著しく悪化させるため、皮膚科やアレルギー科と連携し、点眼薬や内服薬でかゆみの原因となるアレルギー反応自体をコントロールすることが、スキンケアと同じくらい重要になります。
レーザー治療などの効果を維持し、茶クマの再発を防ぐには、体の内側からメラニンの生成サイクルに働きかける内服薬やサプリメントの活用が推奨されます。
外側からのスキンケアと同時に体の内側からアプローチすることで、色素沈着に対してより多角的な対策ができます。
代表的な成分と、その働きは次のとおりです。
| 成分の種類 | 成分名 | 主な働きと特徴 |
|---|---|---|
| 医薬品 | トラネキサム酸 | ・メラニンを作る指令を出す物質(プラスミン)の働きをブロックする ・色素沈着が作られる初期段階に働きかけるため、予防効果が高い ・医師の処方が必要 |
| 医薬品/サプリメント | ビタミンC (アスコルビン酸) |
・強力な抗酸化作用でメラニンの生成を抑制する ・できてしまったメラニン色素を薄くする還元作用も期待できる |
| 医薬品/サプリメント | ビタミンE (トコフェロール) |
・血行を促し、肌の新陳代謝(ターンオーバー)をサポート ・ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が期待できる |
| 医薬品/サプリメント | L-システイン | ・肌のターンオーバーを正常化に導く ・過剰なメラニンの生成を抑える働きがある |
これらの成分はバランス良く摂ることが大切ですが、自己判断での過剰摂取や併用は避けるべきです。特に、トラネキサム酸は医薬品であり、血栓症のリスクがある方などには慎重な投与が求められます。他の病気で治療中の方や常用薬がある場合は、成分の飲み合わせも考慮する必要があるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。
茶クマの最大の原因であり悪化要因でもある紫外線を防ぐことは、治療効果を維持し、再発を防ぐための生命線といえます。
紫外線は、肌を守ろうとする防御反応としてメラノサイトを直接活性化させます。そのため、どれだけ優れた治療を受けても、紫外線対策を怠れば色素沈着は容易に再発してしまうのです。
対策の基本は、「日焼け止めの通年使用」と「物理的な遮光」の2本柱です。夏や晴天時だけでなく、曇りの日や冬、屋内であっても窓から降り注ぐ紫外線を防ぐため、一年中使用する習慣をつけましょう。汗や摩擦で落ちやすいため、2〜3時間ごとの塗り直しが理想的です。
日焼け止め選びの視点を下表に整理します。
| 選び方の視点 | ポイントと具体例 |
|---|---|
| シーンで選ぶ | ・日常生活:SPF20~30、PA++~+++ ・屋外レジャー:SPF50+、PA++++ ※SPFは赤みや炎症を引き起こすUVBを、PAは肌の奥に届くUVAを防ぐ指標 |
| 成分で選ぶ | ・デリケートな目元には、刺激の少ない「ノンケミカル処方(紫外線吸収剤不使用)」がおすすめ ・保湿成分が配合された製品は、乾燥を防ぎバリア機能をサポートする |
| 形状で選ぶ | ・塗りムラを防ぐため、目元にも塗りやすいスティックタイプやクリームタイプが便利 ・塗り直しにはスプレータイプやパウダータイプも活用できる |
また、日傘、つばの広い帽子、UVカット機能を持つサングラスやメガネも積極的に活用し、二重でブロックする意識が大切です。紫外線は色素沈着だけでなく、皮膚がんのリスクを高めることも知られています。紫外線対策は、美容面だけでなく、皮膚の健康を守るという観点からも非常に重要だといえます。
黒クマを解消するための手術は、炎症後色素沈着などによって茶クマを悪化させる可能性があります。
茶クマの根本原因は皮膚への色素沈着であり、黒クマの「影」とは性質が全く異なります。治療の成否は、自己判断を避け、医師による正確な診断のもとで原因に合った治療法を選択できるかにかかっています。レーザーや内服・外用薬を組み合わせ、根気強く向き合うことで根本からの改善が期待できます。
治療効果を維持するには、日々の紫外線対策や「こすらない」ケアも重要です。ご自身のクマの種類や適切な治療法がわからずお悩みの方は、まずは専門のクリニックに相談することから始めてみてください。
監修医師プロフィール
近畿大学医学部医学科 卒業
大和高田市立病院 麻酔科
奈良県立医科大学附属病院 眼科
大手美容クリニック 仙台院
大手美容クリニック 銀座院
受付時間:9:00〜20:00