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クマ取りの施術後、「いつからメイクできるの?」と鏡を見ながら気になっている方も多いのではないでしょうか。ダウンタイムを乗り越え、一日も早く理想の目元で外出したいという気持ちは当然です。

しかし、その焦りが感染症や炎症といったトラブルを招き、美しい仕上がりを台無しにしてしまう可能性があるとしたら…。実は、メイクを安全に再開できるタイミングは、皮膚を切開する「切開法」なら抜糸後の約1週間後、まぶたの裏からアプローチする「経結膜脱脂法」なら翌日からと、受けた手術方法によって全く異なるのです。

この記事では、施術方法ごとの詳しい再開時期から、内出血をカバーするコンシーラー術、回復を妨げないスキンケアの注意点まで、あなたの疑問に詳しくお答えします。

施術方法で異なる|クマ取り後のメイクを再開できる3つの目安

クマ取りの施術後、「いつからメイクができるの?」と気になる方は多いでしょう。お仕事や外出の予定を考えると、一日も早く普段通りの生活に戻りたいですよね。しかし、施術後の目元はご自身が思う以上にデリケートな状態です。

焦ってメイクを再開してしまうと、傷口から細菌が入り込み感染症を起こしたり、炎症が悪化して治りを遅らせたりする可能性があります。美しい仕上がりを維持するためにも、安全にメイクを再開できるタイミングを知ることが大切です。

下眼瞼形成術、いわゆるクマ取りには、皮膚側からアプローチする方法と、まぶたの裏側(結膜)からアプローチする方法の2つが基本です。ご自身が受けた手術方法に合わせて、適切な時期を把握しましょう。

抜糸後から可能な「切開法(表ハムラ法)」

「切開法」は、下まつげの生え際に沿って皮膚を切開する方法です。「経皮的アプローチ」とも呼ばれ、目の下のふくらみ(眼窩脂肪)を移動させたり、余分な皮膚を取り除いたりします。皮膚のたるみが目立つ場合に選択されることが多い手術法です。

この方法では皮膚を縫い合わせるため、メイクの再開は**「抜糸後」**が絶対的な目安となります。抜糸は通常、施術から5日~1週間後に行われます。抜糸前の傷口はまだ完全に閉じておらず、感染に対して非常に無防備な状態です。

この時期にファンデーションなどの化粧品の成分が傷口に入ると、以下のようなリスクがあります。

  • 細菌が侵入し、感染症や強い炎症を引き起こす
  • 傷の治りが遅れる
  • 傷跡が綺麗に残らない原因となる
時期 メイクの可否 注意点
施術当日〜抜糸前 不可 傷口に触れず、処方された軟膏などで保護し、清潔を保ちます。
抜糸当日 目元以外は可能 医師の許可が必要です。傷口周辺への刺激は絶対に避けてください。
抜糸の翌日以降 目元のメイクも可能 医師が傷の状態を確認し、許可が出てから再開します。低刺激の製品を選びましょう。

抜糸が完了し、医師の診察で問題がないと判断されてから、初めて目元のメイクが可能になります。再開直後は、傷跡部分を強くこすらないよう、細心の注意を払ってください。

翌日から可能な「経結膜脱脂法(裏ハムラ法)」

まぶたの裏側にある結膜(けつまく)を小さく切開し、そこから脂肪を取り出したり、くぼみへ移動させたりする方法が「経結膜脱脂法」です。これは「結膜的アプローチ」と呼ばれ、顔の表面に傷ができないため、ダウンタイムが比較的短いのが大きな利点です。

この方法は、皮膚のたるみが少なく、主に目の下の脂肪のふくらみ(眼窩脂肪のヘルニア)が原因でクマができている方に適しています。

皮膚表面に傷がないため、ファンデーションやチークといった施術部位以外のメイクは、早ければ施術の翌日から可能です。ただし、腫れや内出血の程度には個人差があるため、必ず医師の診察を受け、指示に従ってください。

一方で、アイシャドウやアイライン、マスカラなどのアイメイクは、まぶたの裏側にある傷に刺激を与える可能性があるため、すぐには再開できません。

メイクの種類 再開の目安 注意点
ベースメイク
(ファンデーションなど)
施術の翌日以降
(医師の許可後)
目の周りを避け、優しく塗布します。腫れが強い場合は控えましょう。
アイメイク
(アイシャドウなど)
施術後1週間程度
(医師の許可後)
結膜の傷が治癒してから再開します。粘膜や傷に近い部分は避けてください。

目元のメイクは、施術による内出血や腫れが落ち着き、医師が結膜の状態を確認して許可を出してから開始してください。目安は術後1週間程度ですが、回復の進み具合によって前後します。

脂肪注入やヒアルロン酸を併用した場合の再開時期

クマ取りでは、目の下のふくらみを取るだけでなく、くぼんでいる部分にご自身の脂肪やヒアルロン酸を注入することがあります。これは、単に脂肪を除去するだけでなく、まぶたと頬の境界線を滑らかにし、より自然で若々しい印象に仕上げるためです。

脂肪注入などを併用した場合、メイクの再開は通常よりも慎重になる必要があります。その理由は、注入した脂肪やヒアルロン酸が組織に定着するまでには時間がかかるためです。

定着する前にメイクやクレンジングで目元を圧迫したり、強くこすったりすると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 注入した脂肪やヒアルロン酸が移動し、形が崩れる
  • 脂肪細胞への血流が妨げられ、生着率が下がる(効果が薄れる)
  • 炎症や内出血が悪化し、ダウンタイムが長引く

そのため、脂肪注入などを併用した場合は、施術部位のメイクは最低でも1週間は控えるのが一般的です。医師が診察で定着具合を確認し、許可が出てから再開するようにしてください。

アイメイクはいつから?部位別の詳しいタイミング

アイメイクは、クマ取り後のケアで最も注意が必要なポイントです。施術部位に近く、目の中に化粧品が入るリスクもあるため、再開のタイミングは厳守してください。

手術方法にかかわらず、アイメイク再開の原則は**「最低でも術後1週間が経過し、医師の診察で許可が出てから」**です。これは、術後の合併症として最も避けたい「感染」を防ぐために非常に重要です。

以下に、部位別の再開タイミングと注意点をまとめました。

メイクの部位 再開の目安 注意点
コンタクトレンズ 術後1週間以降 医師の許可が必須です。特に経結膜脱脂法では結膜の傷に直接触れるため厳禁です。それまでは眼鏡を使用してください。
アイシャドウ 術後1週間以降 ラメやパールの大きいものは粉が傷に入る可能性があるため避け、肌なじみの良いマットなタイプから始めましょう。
アイライン 術後1週間以降 まつ毛の生え際ギリギリや粘膜(インライン)は避けて引いてください。お湯で落とせるフィルムタイプが推奨されます。
マスカラ 術後1週間以降 根元から塗ると皮膚への刺激になるため、毛先を中心に軽くつける程度にしましょう。クレンジングしやすいものが望ましいです。

特にコンタクトレンズは、眼球の表面に直接触れるため、結膜側からアプローチする経結膜脱脂法の場合は特に注意が必要です。医師の指示に従い、指定された期間は必ず使用を控えましょう。

悪化させないためのメイク・スキンケア5つのポイント

クマ取りの施術後、目元はご自身が感じている以上にデリケートな状態です。手術による外科的な侵襲(しんしゅう:身体への負担)で、皮膚のバリア機能は一時的に低下し、普段は何ともない刺激にも敏感に反応しやすくなっています。

ダウンタイム中の適切なケアは、施術の効果を最大限に引き出し、美しい仕上がりを維持するために非常に重要です。ここでは、施術後の敏感な肌をいたわりながら、気になる部分をカバーするためのメイクとスキンケアの5つのポイントを、内科医の視点も交えて具体的に解説します。

傷跡や内出血を隠すコンシーラー・ファンデーションの使い方

施術後の内出血や腫れは、多くの方が気になる点でしょう。これらは、手術によって傷ついた毛細血管から血液が漏れ出たことによる、正常な治癒過程の一部です。内出血の色は、血液中のヘモグロビンが分解されるにつれて変化していきます。

  • 施術直後〜数日
    赤紫色や青紫色の状態です。
  • 回復期
    次第に緑がかった色から黄色へと変化し、やがて消えていきます。

この色の変化に合わせて、メイクの色を工夫することで、内出血を自然にカバーできます。ポイントは、お互いの色を打ち消し合う「補色(ほしょく)」を使うことです。

内出血の色 おすすめのコントロールカラー・コンシーラー
赤紫〜青紫 グリーンの下地で赤みを抑え、その上からオレンジイエロー系のコンシーラーを重ねます。
黄緑〜黄色 ピンク系パープル系のコンシーラーでくすみを払い、肌の色になじませます。

塗り方の手順とコツ

  1. 清潔な指やブラシに取る
    コンシーラーを少量とり、カバーしたい部分に「置くように」乗せます。
  2. 優しく叩き込む
    指の腹やスポンジを使い、境目を「ポンポン」と軽く叩き込むようになじませます。決して横にスライドさせたり、こすったりしないでください。
  3. ファンデーションを重ねる
    最後に、顔全体のファンデーションを優しく重ね、色の差をなくし自然に仕上げます。

施術部位をこする行為は、治りかけの微細な血管を再び傷つけ、内出血を長引かせる原因になります。また、摩擦による刺激は「炎症後色素沈着」というシミのリスクを高めるため、絶対に避けてください。

施術後の敏感な肌におすすめの低刺激・ミネラルコスメ

施術後の肌は、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい状態です。普段使っている化粧品でも、赤みやかゆみといったトラブル(接触皮膚炎)を引き起こす可能性があります。そのため、ダウンタイム中は肌への負担が少ない製品を選ぶことが大切です。

化粧品選びの3つのポイント

  1. 低刺激処方・敏感肌用を選ぶ
    アルコール、香料、パラベン(防腐剤)などが含まれていない、または配合量が少ない製品を選びましょう。「敏感肌用」「アレルギーテスト済み」「スティンギングテスト済み」などの記載があるものが一つの目安になります。
  2. 石鹸やお湯で落とせるものを選ぶ
    クレンジング時の肌への負担を減らすため、石鹸やお湯だけで簡単にオフできる化粧品がおすすめです。特に、天然鉱物を主成分とした「ミネラルコスメ」は、肌に優しく、クレンジングが簡単な製品が多いため、この時期の使用に適しています。
  3. 紫外線対策は「吸収剤フリー」で
    施術後の肌は紫外線にも非常に敏感です。紫外線は色素沈着の大きな原因となるため、日中のメイクでは日焼け止め効果のある製品を取り入れましょう。その際、化学的な仕組みで紫外線を防ぐ「紫外線吸収剤」ではなく、物理的に紫外線を反射させる「紫外線散乱剤」を使用した「吸収剤フリー(ノンケミカル処方)」の製品が、肌への刺激が少なく望ましいです。

摩擦は厳禁!正しいクレンジングと洗顔の方法

メイクをすることと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「落とし方」です。不適切なクレンジングや洗顔による摩擦は、治癒を遅らせるだけでなく、長期的には下まぶたが外側にめくれてしまう「下眼瞼外反」などの合併症のリスクを高める可能性も指摘されています。

クレンジングのポイント

  • ポイントメイク
    アイメイクなどは、専用のリムーバーをコットンにたっぷり含ませ、目元に数秒間優しく押し当てます。メイクが十分に浮き上がったら、コットンを滑らせるようにしてそっと拭き取ります。
  • ベースメイク
    ミルクタイプやジェルタイプの低刺激なクレンジング剤を使います。肌の上で優しくなじませて「乳化」させてから、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。

洗顔のポイント

  1. たっぷりの泡で洗う
    洗顔料をしっかりと泡立て、肌の上で泡を転がすようにして洗います。手が直接肌に触れないようにするのがコツです。
  2. ぬるま湯で十分にすすぐ
    熱いお湯は肌の乾燥を招き、冷水は毛穴の汚れが落ちにくいため、32℃前後のぬるま湯ですすぎます。シャワーを直接顔に当てるのは水圧が強すぎるため避けましょう。
  3. タオルで優しく水分を吸い取る
    清潔で柔らかいタオルを顔にそっと押し当て、水分を吸い取らせるように拭きます。ゴシゴシこするのは厳禁です。

アイシャドウやアイラインを引く際の注意点

医師の許可が出てアイメイクを再開する際も、細心の注意が必要です。特にまぶたの裏側を切開する経結膜脱脂法の場合、結膜の傷が完全にふさがるまでは、化粧品の粒子が侵入して感染を起こすリスクがあります。

アイシャドウの選び方と塗り方

  • 質感
    ラメやパールが大粒のものは、粒子が傷口に入り込むリスクがあるため、治癒が完了するまでは避けた方が安全です。肌なじみの良い、マットな質感のものから始めましょう。
  • 塗り方
    清潔なブラシやチップ、指を使い、まぶたを引っ張らないように優しく乗せます。使用する道具はこまめに洗浄し、清潔を保ってください。

アイラインの引き方

  • 引く位置
    傷や粘膜に近い目のキワぎりぎりを避け、まつ毛の生え際から少し離した位置に細く引くようにしましょう。インラインは感染のリスクを高めるため、完全に回復するまでは控えてください。
  • 製品の選び方
    クレンジングでこする必要がないよう、お湯で簡単にオフできるフィルムタイプのアイライナーが最適です。

また、まぶたに圧力がかかるビューラーの使用は、少なくとも術後1ヶ月程度、あるいは医師の許可が出るまでは控えるようにしましょう。

回復を促す保湿中心のスキンケア

施術後の肌は乾燥しやすく、バリア機能も低下しています。乾燥はかゆみや刺激感の原因となり、無意識に掻いてしまうことで回復を遅らせる可能性があります。肌のバリア機能をサポートし、健やかな回復を促すためには、徹底した保湿が何よりも重要です。

保湿ケアのステップ

  1. 洗顔後すぐに水分補給
    洗顔後は、肌の水分が最も蒸発しやすいタイミングです。時間を置かずに、低刺激性の化粧水を使い、たっぷりと水分を補給しましょう。コットンによる摩擦を避けるため、清潔な手のひらで顔全体を包み込むように優しくなじませる「ハンドプレス」がおすすめです。
  2. 乳液・クリームでフタをする
    化粧水で与えた水分が逃げないように、乳液やクリームなどの油分でしっかりとフタをします。セラミドやヒアルロン酸といった高保湿成分が配合された製品を選ぶと、肌のバリア機能を助け、より効果的です。

また、皮膚の健康は外側からのケアだけでなく、内側からのケアも大切です。皮膚の再生には、タンパク質やビタミン、ミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事が欠かせません。そして、十分な睡眠は、組織の修復に欠かせない成長ホルモンの分泌を促します。ダウンタイム中は、身体の内側からも回復をサポートすることを意識してください。

メイク以外も注意|ダウンタイムを安全に過ごすためのQ&A

クマ取りの施術後は、メイクの再開時期だけでなく、日常生活全般において注意が必要です。ダウンタイムは単に見た目が回復する期間ではありません。手術によってダメージを受けた皮膚や皮下組織が、細胞レベルで修復・再構築されるための、医学的に非常に重要なプロセスです。

この期間の過ごし方が、最終的な仕上がりの美しさや、合併症のリスクを大きく左右します。内科医の視点からも、局所の回復にはバランスの取れた栄養や十分な睡眠といった全身の健康状態が不可欠です。ここでは、皆様からよくいただくご質問に、医学的根拠を交えながら詳しくお答えします。

コンタクトレンズはいつから装着できる?

コンタクトレンズの装着は、**原則として術後1週間は絶対に避けてください。**再開する際は、必ず医師の診察を受け、結膜の傷が完全に治癒していることを確認した上で、許可を得てからにしましょう。

特に、まぶたの裏側を切開する「経結膜脱脂法」では、結膜に直接傷ができます。この状態でレンズを装着する行為は、傷口にレンズが直接触れることになり、以下のような深刻なリスクを伴います。

  • 感染症のリスク
    レンズや指に付着した細菌が傷口から侵入し、結膜炎や角膜炎、最悪の場合は失明につながる可能性のある眼内炎を引き起こすことがあります。
  • 治癒の遅延
    レンズによる物理的な刺激が、デリケートな結膜の傷の治りを妨げ、ダウンタイムを長引かせる原因となります。
  • 角膜への影響
    近年の研究では、下眼瞼形成術が術後の角膜の形状や機能(角膜生体力学)に一時的な影響を与える可能性が示唆されています。術後のデリケートな時期にレンズを装着すると、角膜への酸素供給が不足し、角膜障害のリスクを高めることも考えられます。

ダウンタイム中は、目の負担を軽減するためにも眼鏡を使用してください。医師の許可が出て再開する際も、まずは短時間から試し、充血や異物感、痛み、かすみなどの異常がないか慎重に確認しましょう。少しでも違和感があれば、すぐに使用を中止しクリニックにご相談ください。

まつげエクステやまつけパーマの再開目安

まつげエクステやまつげパーマは、目元に直接的な化学的・物理的刺激が加わるため、クマ取りの施術後は特に慎重な判断が求められます。安全を最優先に考え、再開は早くても術後1ヶ月以上が経過し、医師の診察で許可が出てからにしてください。

術後のデリケートなまぶたに、これらの施術が及ぼす影響は決して小さくありません。

  • 化学的刺激のリスク
    まつげエクステの接着剤(グルー)やパーマ液には、様々な化学物質が含まれています。これらの物質が、まだ完全に治癒していない皮膚や結膜の微細な傷から侵入すると、重い接触皮膚炎やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
  • 物理的刺激のリスク
    施術中は、まぶたをテープで固定したり、器具で引っ張ったりする工程があります。このような物理的な圧迫や牽引は、治りかけの繊細な組織を傷つけ、回復を遅らせる原因になります。また、下眼瞼の支持構造に不適切な力が加わることで、将来的に下まぶたが外側にめくれる「下眼瞼外反」といった合併症のリスクを高める可能性もゼロではありません。
  • 仕上がりへの影響
    脂肪注入や再配置を行った場合、組織が安定し生着するまでには時間がかかります。この重要な時期に外部から圧力がかかると、定着しかけていた脂肪が移動したり、吸収が進んでしまったりして、期待した効果が得られなくなる恐れがあります。

施術を再開する際は、アイリストの方に「いつ、どのようなクマ取り手術を受けたか」を必ず正確に伝えることが重要です。医師とアイリスト、両方の専門家の意見を確認し、万全の状態で臨むようにしましょう。

時期尚早なメイクが引き起こす感染症や炎症のリスク

「少しだけなら」「隠したいから」という気持ちでメイクを早く再開してしまうと、回復を妨げ、思わぬトラブルを招くことがあります。医師が指示する期間を守ることは、美しい仕上がりを手に入れるための治療の一環です。

術後の皮膚は、外科的な侵襲(しんしゅう)によってバリア機能が著しく低下しています。この無防備な状態でのメイクには、以下のような医学的リスクが伴います。

  • 感染症
    清潔でないメイク道具、特にファンデーションのパフやブラシは、黄色ブドウ球菌などの細菌の温床になりがちです。これらの細菌が傷口から侵入すると、皮膚が赤く腫れあがる蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった重篤な皮膚感染症を引き起こす可能性があります。
  • 異物反応による治癒の遅延
    化粧品の微細な粒子(顔料やラメなど)が傷口に入り込むと、体はそれを「異物」と認識します。すると、免疫細胞が過剰に反応して慢性的な炎症が続き、組織の正常な修復プロセスが妨げられ、治癒が大幅に遅れることがあります。
  • 炎症後色素沈着(PIH)
    長引く炎症は、シミの原因となるメラノサイト(色素細胞)を活性化させます。その結果、傷跡の周りが茶色くくすんでしまう「炎症後色素沈着」が起こりやすくなります。
  • アレルギー反応(接触皮膚炎)
    肌のバリア機能が低下しているため、普段は何の問題もなく使っている化粧品でも、赤み、かゆみ、湿疹などのアレルギー反応を起こすことがあります。

最終的な傷跡の美しさは、ダウンタイム中の炎症をいかにコントロールできるかにかかっています。焦らず、肌が十分に回復するのを待つことが、何よりの美容ケアとなります。

腫れや痛みが引かない時のクリニックへの相談タイミング

術後の経過には個人差がありますが、「正常な治癒過程」と「異常のサイン」を見分けることが重要です。少しでも不安を感じたら、自己判断せず、すぐにクリニックへ連絡してください。

正常な経過の目安

  • 腫れ・痛み: 術後2~3日(48~72時間)がピーク。その後、1~2週間かけて徐々に引いていきます。痛みは処方された鎮痛剤でコントロールできる範囲です。
  • 内出血: 術直後は赤紫色ですが、時間とともに「青→緑→黄色」と色が変化しながら、2週間程度で吸収され消えていきます。

すぐにクリニックへ相談すべき症状【チェックリスト】

以下の症状が一つでも見られる場合は、合併症の可能性があります。診療時間外であっても、速やかにクリニックの緊急連絡先へ相談してください。

  • 痛みの異常
    • 処方された鎮痛剤を飲んでも全く効かない、または悪化する痛み
    • 「ズキンズキン」と脈打つような強い痛み
  • 腫れの異常
    • いったん引きかけた腫れが、急にぶり返してきた
    • 片側だけがパンパンに、異常に腫れあがっている
    • 施術部位が熱をもち、赤みも強くなっている
  • 分泌物・傷の状態
    • 傷口から黄色や緑色の膿(うみ)のようなものが出ている
  • 視機能の異常
    • 急に視界がかすむ、ぼやける
    • 物が二重に見える(複視)
    • 今までになかった目の痛みや、急激な視力低下を感じる
  • 全身症状
    • 38度以上の発熱や悪寒、体のだるさがある

特に「視機能の異常」は、眼球の裏側で出血が起きている「球後出血」などの緊急性の高い状態を示唆している場合があります。ためらわずに連絡することが、ご自身の目と健康を守るために最も大切なことです。

まとめ

今回は、クマ取り後のメイク再開のタイミングや、ダウンタイム中の注意点について詳しく解説しました。

施術後は、一日も早くメイクをして普段通りの生活に戻りたいと考えるのは自然なことです。 しかし、最も大切なのは、焦らずに医師の指示を守ることです。自己判断でメイクを再開してしまうと、感染や炎症を引き起こし、かえって回復を遅らせてしまう可能性があります。

施術方法によって再開時期は異なりますが、必ず医師の許可を得てからにしましょう。美しい仕上がりを叶えるためには、ダウンタイム中の丁寧なセルフケアが何よりも重要です。 不安なことや気になる症状があれば、些細なことでも遠慮なくクリニックに相談してくださいね。

監修医師プロフィール

院長田仲 祐貴

近畿大学医学部医学科 卒業
大和高田市立病院 麻酔科
奈良県立医科大学附属病院 眼科
大手美容クリニック 仙台院
大手美容クリニック 銀座院

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